『Metal Doll Princess』

作 Rui 様





三章「鷲月沙羅/レイヴン」


ACT2「侍従として」


早坂邸ロビー

「「いらっしゃいませ、水月様。」」
ロビーに入るとルイとルーナの2人がお出迎えした
「どうも。礼は来てる?」
「はい。中でマスターと共にお待ちです。」
「そっ。サラ、行きましょう。」
そう言うとルイとルーナに案内される唯とサラ

客間

ドアをノックするルイ
「ルイか?」
「はい。水月様とお連れの方をお連れ致しました。」
「入れ。」
「はい。それでは失礼致します。」
そう言うとドアを開けるルイとルーナ
「やっほう。」
気楽に声を掛ける唯
「随分遅かったな。まぁとりあえず座れ。」
神の声に座る唯とサラ
「ルイ・ルーナ、下がっていろ。用があれば内線で呼ぶ。」
「「はい。それでは失礼致します。」」
2人揃ってそう言うと客間から去っていく
「…んで、今回は何でこんなに遅かったんだ?礼が待ちくたびれていたぞ。」
「ゴメンね〜。今回は説得するのに時間掛かっちゃって。」
「無理やり連れてくると言うのはしないのか?」
「あのね〜、礼。私は仮にも軍の人間よ。人攫いなんてした日にゃ〜。」
「解った。それで、彼女が今回の?」
「えぇ。そうよ。」
礼の言葉に答える唯
サラの事をじっと見る礼
「な、何ですか?」
「礼。彼女が怖がってる。」
唯の言葉に気付き席に座る
「んで、これからどうするんだ?」
「とりあえず礼の所で仕事覚えさせてから。」
「ハァ?ちょっと待て、俺の所には侍従なんで居ないぞ。…もしかして神の所から借りるのか?」
礼の言葉に首を横に振る唯
「ならば何処から調達するんだ!」
「礼、彼女が怖がっているぞ。」
神が注意を促す
「…すまん。」
そう言うと席に座る
「その件については明日の朝にでもお届けするから、心配しないで。サラ。」
「あっ、はい。」
「怖いと思うけど、彼の言う事はちゃんと聞いてね。」
「は、はい。」
サラの返事を聞くと立ち上がる唯
「礼、足無いんでしょ?送るわよ。」
「そうだな。頼もう。」
「そんじゃ、私はこれで失礼するね。」
「あぁ、気をつけて帰りたまえ。」
神の言葉に部屋を出てロビーに来た唯
そこにはルイが居た
「水月様、もうお帰りですか?」
「えぇ。礼とサラを送らなきゃいけないからね。」
「そうですか。お気を付けてお帰りなさいませ。」
「えぇ。」
そう言うとルイの耳元に口を近づかせる唯
「始動キー設定。始動キーは“フェイト”解った?」
「…はい。設定致しました。」
「そんじゃ、おやすみ。」
ルイの返事を聞くと車を取りに外へ出て行く唯
しばらく経っていると礼とサラがロビーに入って来た
「那川様、お帰りですか?」
「あぁ。水月君が送ってくれるそうなんでな。」
礼の言葉の後ロビーへ入ってくる唯
「車持って来たよ。」
「すまないな。それじゃ、おやすみ。」
「はい。お気を付けてお帰りなさいませ。」
外に向かう礼・サラに向かいお辞儀するルイ

礼とサラを送った後、唯は自分の家へと戻っていた

唯自宅

「お帰りなさいませ、マスター。」
「ただいま、アリス。ちょっと弄らせて貰うわよ。」
「はい。」

唯自宅ラボ

「アリス、実はちょっとして欲しい事が有るんだけど、良い?」
「はい。構いませんが何をすればよろしいのでしょうか?」
「うん。那川礼は知ってるわよね?」
「はい。前のマスターのご親友ですね。」
「そぅ。その彼の家に行ってメイドとしての基礎を教えて欲しいのよ。」
「…えっと、それは那川様にですか?」
「違うわよ。礼の所にサラって言う娘が来たの。その娘によ。」
「はい。解りました。それでこちらの方はどう致しましょう?」
「う〜ん、しばらくは軍部のオフィスに居るつもりだから、まぁ戻って来たらで良いわよ。」
「解りました。マスター。」
アリスの返事を聞いてキーボードを打つのを止める唯
「良し!調整完了。明日10時くらいに出るからそれに会わせて起きてきて。」
「はい。解りました。それでは失礼致します。」
そう言うとラボを出て行くアリス
「…さて、何処までやってくれるかしら?」

翌日

那川邸ロビー

「へぇ〜、中々に似合ってるわね、サラ。」
「えっ?そうですか?私は、何か恥ずかしい感じがするんですけど…。」
「まぁ、慣れよ。慣れ。」
「待たせたな。」
「おはよう、礼。」
「それで、サラを指導するのは誰なんだ?」
「彼女。アリスよ。」
唯の言葉にお辞儀をするアリス
「何か不満は?」
「…いや、何も。」
「とりあえずこっちに居る間のマスターは礼、貴方だからね。」
「解った。アリス、早速教えてやってくれ。」
「はい。解りました。それじゃサラさん、行きましょう。」
「あっ、はい。」
そう言うと唯にお辞儀をしてロビーから去っていく
「…あれが本当に神の所に居た奴なのか?」
「まぁ、弄くってる所有るし。」
「そうか。それより、これからどうするんだ?」
「とりあえず神の所に行って彼女をどう言うのにするか検討。
礼の要望が有るのなら今の内に聞いておくけど。」
「…特には。…ならば自我はなるべく残しておいてくれるか?」
「へぇ、解った。プログラム制御は、する?」
「頼む。それ以外は基本的な侍従タイプで頼む。それと、名前はレイヴンだ。」
「OK。そんじゃ、失礼するわ。」
そう言うとロビーから出て行く

車内

「…中々面白い要望ね。…レイヴン、か。」
そう呟くと車を走らせる

早坂邸客間

礼から聞いた要望を伝える唯
「ふむ、面白いな。唯女史はこの考えにはどう考えてるのかな?」
「別に。特に何も。けど、面白い試みだとは思うけどね。」
「プログラムは組めるのか?」
「私を誰だと思ってるの?そのくらいお手のものよ。」
「心強いな。」
「礼から連絡あったら教えて頂戴。こっちも教えるから。」
「解った。」
「そんじゃ。」
そう言うと客間を出て行く唯

唯個人オフィス

パソコンを立ち上げプログラムを打ち込む唯
「マスター、少し休まれては?」
「ハイネ。そうね、けどちょっと楽しいのよ。今迄に前例の無いプログラムだから。」
「…そうですか。お体にはお気を付けて下さい。
お仕事の方は片付けられるのはこちらで片付けておきますので。」
「…ゴメンね、ハイネ。」
「いえ、私はマスターの為に居るのですから。それでは何か有りましたらお呼び下さいませ。」
そう言うとお辞儀をして唯の側から離れていくハイネ

2ヵ月後

早坂邸ロビー

「やっほう。礼から連絡有ったみたいね。」
「「いらっしゃいませ。水月様。」」
ルイとルーナの挨拶に応える唯
「あぁ。そろそろ時期だろうと言っていた。…それより唯女史。その隣の彼女は誰だね?」
「ん?彼女はハイネ。仕事のサポートして貰ってるの。」
「ハイネと申します。以後よろしくお願い致します。」
「あぁ。早坂神だ。こっちはルイとルーナだ。」
神の言葉にお辞儀をするルイとルーナ
「んで、今回の主賓はまだ来てないの?」
「あぁ。もう少ししたら…。」
「待たせたな。」
「「いらっしゃいませ。那川様。」」
「あっ、お久し振りです。」
「お久し振り。」
礼の横に居たサラに声を掛ける唯
「礼、アリスは?」
「お前の家。帰って掃除したいとか言っていたぞ。」
「そぅ。ありがとう。」
「礼、唯女史。始めようか?至高の宴を。」


続く

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