『Metal Doll Princess』

作 Rui 様





三章「鷲月沙羅/レイヴン」


ACT3「沙羅/レイヴン」


唯・神・礼の言葉に疑問を持つ沙羅
「大丈夫。起きたらもっと素敵になってるから。」
そう言いながら沙羅の目を見る唯
「えっ?あっ…。」
唯の目を見て眠りに陥る沙羅
「君はそんな特技迄持ってるのかね。」
「まぁちょっとした趣味よ。それじゃ運びましょう。」
疑問に思う神の言葉に答え、ラボへと移動するよう促す唯
「あぁ、そうだな。ルイ。彼女を持ってついて来なさい。ルーナ、君もだ。」
「「はい。マスター。」」
神の言葉に従うルイとルーナ

ラボ

ベッドに沙羅を寝かせ別室に構える神達
「唯女史、プログラムはどうなっている?」
「大丈夫、完成してるわ。これが入ってるディスクね。」
そう言って神にディスクを手渡す唯
「礼の要望通りに仕上がってるわ。」
唯から手渡されたフロッピーの中身を見て関心する神
「…しかし、良くこれだけ高度なプログラムを組めるんだな、唯女史は。」
「まぁ、それぐらいしかやる事無かったから。それじゃ始めましょうか。」
唯の言葉に頷く神と礼

ラボ改造室

そこには寝ている沙羅を囲むように唯・ルイ・ルーナの姿が有った
そんな中で唯が口を開く
「さて、聞いてると思うけど術中は私の言う事は聞いてね。」
唯の言葉に頷くルイとルーナ
「それじゃ、始めましょうか。私は脳を含む頭部をするから貴女達は身体をお願いね。
手順等はさっき入れたプログラム通りに進めて頂戴。」
唯の言葉に頷き作業を始めるルイとルーナ
「さ〜て、私も始めますか。」
そう言うと備え付けの器具で頭部を切開する唯

ラボ別室

手術の様子を見ている神と礼
その中でふと礼が呟く
「なぁ神。」
「ん?どうした?」
「彼女は、何故あんなにも平気な顔で手術をしているんだ?」
「唯女史の事か?」
神の言葉に頷く礼
その頷きに考える神
「…そう言えばそうだな。ルーナはともかくルイの時は平然な顔で手術をしていた。」
そう言うと再度考える神
そんな神を見て口を開く礼
「神。もしかしたら軍が関係しているのでは?」
「…軍部が?…可能性としては、その選択肢も有るが。」
「本人から聞いてみるか?」
「いや、ここだけの話にしておこう、礼。」
「…解った。」

再び改造室

四肢を終え内臓の部位の改造を始めるルイとルーナ
一方未だ脳の手術を行っている唯
電子脳と自前のノートパソコンを接続させ最終チェックを行っていた
「この反応は…、良し。こっちは…、ちょい修正。後は…。」
等と呟きながらチェックを行い2分後終らせて人工皮膚で脳を閉じた
「ルイ・ルーナ、そっちはどう?」
「はい。各器官の置換は完了。あとは心臓のみです。」
「そう。それは私がやるからサポートお願い。」
「「はい。」」
唯の言葉に同時に答えるルイとルーナ

「外部人工心肺接続完了。」
「人工心臓準備完了です。」
「血液が消えてから始めるわよ。人工臓器及び人工血液の準備は?」
「既に完了しております。」
「OK。それじゃ血液の採取始めて。」
「はい。」
そう答えると人工心肺のスイッチを入れるルーナ
その瞬間から沙羅の身体から次々と血液が無くなっていく
「ルイ、始めるわよ。」
「はい。」
ルイの答えの直後から心臓の置換手術が開始された

「人工心臓各血管との接続完了しました。」
「ありがとう。ルーナ、人工血液流して。」
ルイの言葉に答えルーナに指示を出す唯
その指示の後機械へと改造された沙羅の身体に人工血液が流れて来る
「各器官正常に作動。人工血液も問題無しです。」
「そぅ。それじゃ人工血液が行き渡ったら外部人工心肺との接続を切って胸部を閉じて。
それで終わりだから。」
「「はい。」」
ルイとルーナの返事を聞くと改造室から出る唯

ラボ入り口

椅子に腰掛けジュースを飲み干す唯
「ふぅ。」
一息付くとラボから神が出て来る
「神。」
「素体はちゃんと改造出来たのか?」
「ばっちし。プログラムも予定通りに起動してるわ。」
唯の言葉にホッっとする神
「それと、少し休ませて貰うね。彼女は起動したらマスター登録求めるから。」
「解った。済まないな、唯女史。」
「良いの良いの。そんじゃロビーに居るから。」
そう言うとラボの入り口からロビーの方へ消えていく唯

一時間後

居間

ソファーで寝ている唯
何処かから持ってきた椅子に腰掛け起動を待つ沙羅
そして神・礼に、ルイ・ルーナの姿が有った
「唯女史。唯女史。」
そう言いながら唯を揺する神
「ん?う〜ん、…神、何?」
「寝ぼけるな。彼女を起動させる。不具合が無いか見てくれ。」
「ん〜、解った。」
寝ぼけながらも自前のノートパソコンを起動させる唯
「…準備良いよ。っと、このケーブル彼女に着けて。」
「あぁ、解った。」
そう答えると沙羅にケーブルを接続する神
「そんじゃ、起動させるわよ。」
そう言うとキーボードを操作する唯
それに伴い目を開ける沙羅
「Metal Doll bO2起動致シマシタ。」
そう言うと立ち上がるMD02
それを確認してキーボードを再度打つ唯
「Pi、Master認証を行います。」
「礼、彼女の前に立って自分の名前をフルネームで言って。」
唯の言葉にMD02の前に立つ礼
「那川礼だ。」
「…那川礼をMasterとして認証します。Master、私にお名前を。」
「レイヴンだ。綴りはR・A・V・E・Nだ。」
「……認証。私の名前はRaven。Master那川礼に仕える忠実なMetal Dollです。」
その言葉を聞き神と唯の方を見る礼
「神、唯。ありがとう。」
「俺は別に何もしていない。ラボを提供しただけだ。」
「別にどうって事ないわよ。それと、これ。」
そう言って礼に一枚のフロッピーを差し出す唯
「何だ?このフロッピーは?」
「修正ファイル。一応帰ったらインストールしといて。仕方は彼女が知ってるから。」
「あぁ、解った。」
そう言うとフロッピーを受け取る礼
「さてと。」
そう言うとノートパソコンをシャットダウンする唯
「礼、送ってあげようか?私車で来てるし。」
「…そうだな、頼む。」
「OK。じゃあ車回して来るね。」
そう言うと車を取りにロビーから出て行く唯

帰りの車内

ふと口を開くレイヴン
「Master、この車を運転している彼女は何者ですか?」
ふと呆然する礼と唯
「私は水月唯よ。覚えておいて。」
「…登録しました。」
「…良いね〜、淡々としてて。礼、貴方の家って海沿いだったっけ?」
ふと唯から質問が来る
「あ、あぁ。北部の海沿いだ。白里の近くだ。」
「OK。んじゃ高速乗るわね。目一杯踏むからね。」
そう笑顔で言い放つ唯

那川邸前

「色々と済まなかったな。」
「良いの。私の息抜き出来たから。何か有ったら電話して。番号は…、彼女に覚えさえるわ。」
そう言ってレイヴンを見る唯
「レイヴン、私の仕事場の番号。031―2980。記録しといて。」
「………水月唯様の仕事場の番号。登録致しました。」
「それじゃ、おやすみ。」
「あぁ、気を付けてな。」
礼のその言葉に笑顔で答えると車を発進させる唯
「…来い、レイヴン。私の家の事を教えるぞ。」
「YES、Master。」
共に家の中へ入る礼とレイヴン

海沿いの高速道路のPA

展望台で煙草を吸いながら夜空を見上げる唯
「…私は一体何がしたいんだろう?…ルイ・ルーナ・レイヴン。
彼女達を見てると、自分自身を見てるみたい。」
そう言うと手すりに蹲る唯

―――私は一体、何者なの?


続く






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