『Metal Doll Princess』
作 Rui 様
一章「和泉瑠衣/Rui」
ACT2「変化」
早坂家工房
そこには眠っている瑠衣とそれを見つめる神・唯・アリスの姿があった
「んで、私に手伝って欲しい事って何?」
「あぁ。実はプログラムを組んで欲しい。」
「プログラム?アリスのコピーして改良しちゃ駄目なの?」
「あぁ。メイドとしての作業をこなし、それでいて戦闘も出来る。そう言うタイプにするんだ。彼女を。」
神の言葉に溜息を付く唯
「はぁ〜。全く。ちょっと待ってて。ノーパソ取ってくるから。」
「でしたら、私が取って参ります。」
「そぅ?そんじゃロビーのソファーに有るから。見れば直ぐ解るからお願い。」
「はい。それでは失礼します。」
そう言うと工房から出て行くアリス
「…それにしても、奉仕と戦闘、両方のプログラムを組め、だなんて。」
「済まないな。」
「どうせ両立出来るようにして欲しいんでしょ?」
「解ってるじゃないか。」
「まぁね。」
ふとその時アリスが戻ってきた
「お持ちしました。こちらでよろしいでしょうか?」
「そうそう。サンキュー。さてと、私はプログラム組んでるから、さっさと始めちゃって。」
「解った。アリス、始めるぞ。」
「はい。マスター。」
そう言うと部屋の隅にあるレバーを引くアリス
それと同時に天井から手術器具が降りてくる
「では、始めるか。」
そう言うと手術器具を手に取る神
―――――瑠衣とRui
―――気がついたら、白い世界に居た。何かもが、白い世界に
―――そしてそこには、私が居た
始めまして、瑠衣
―――貴女は?
私はRui
―――それは、私の名前
いいえ。私の名前よ。マスターに仕える為の
―――マスターに、仕える?どう言う事?
目が覚めれば、直ぐにでも解るわ
―――それって、どう言う事?
自分で考えれば、直ぐにでも解るわ。それでは
目が覚めると、ベッドの上で、寝ていた
起き上がろうとしても、起き上がれない
腕と、足。それに腰辺りも固定されてるみたい
身体は、異常が無い。元のまんま
「お目覚めかね?和泉瑠衣君。」
ふと聞こえる男性の声
「誰?ここは何処?私に何をしたの?」
瑠衣をモニターしている部屋
『私に何をしたの?』
その言葉の後マイクのスイッチを一旦切ると口を開く神
「アリス。どうだ?」
神の言葉にノートパソコンを打ちながら答えるアリス
「はい。自我領域は残存安定。脳波は少し興奮気味です。」
「まぁ、そうだろうな。所で唯女史が作ったプログラムだがどうだ?」
『何か言いなさいよ!』
「…五月蝿いな。」
そう言うと向こうからのマイクのスイッチを切る
「それで、プログラムの方は?」
「はい。順調に作動中。あと5分程すればプログラムに従うようになるでしょう。」
「そうかそれではしばらく待つとしよう。」
5分後
「マスター。プログラムが自我を押さえつけています。」
「そうか。…おはよう。私が誰だか解るかね?ルイ。」
神がそう言うと
「…私の、マスターです。」
と返すルイ
「どうやら、うまく行ったみたいだな。」
「はい。」
「良し。自我領域は半覚醒。基本はプログラム中心の設定にしろ。」
「はい。マスター。」
そう言うと何やら弄くるアリス
「自我領域ハーフダウン。プログラム起動状態です。」
「エラーは?」
「見当たりません。」
「流石唯女史。良し、ルイの拘束を解いてここへ連れて来てくれ。」
「はい。マスター。」
そう言うとそこから出て行くアリス
しばらくするとルイの元に現れ拘束を解きルイと共に姿を消す
それからまたしばらくするとルイを連れて戻ってくるアリス
「マスター、お連れしました。」
「ご苦労。さてと、アリス。彼女の自我領域を覚醒させてくれ。」
「はい。マスター。」
そう言うと先程のノートパソコンを弄るアリス
「……あれ?ここは。…さっきの男の人!」
「とりあえず自己紹介をしておこう。私は早坂神。この家のマスターだ。」
「…えっ?勝手に上がってて、不味かったですかね?」
「構わんよ。唯女史が一緒だったみたいだし。」
「はぁ。」
神の言葉に安心する瑠衣
「それよりも、自分の体に何か疑問を感じないか?」
「えっ?疑問?…疑問って言われても〜。」
そう言うと考え込む瑠衣
「…ふぅ。アリス。外部からの入力は受け付けれるか?」
「はい。大丈夫です。」
「ならば彼女の右腕部分を肩からパージさせろ。」
「はい。」
そう言うとまたノートパソコンを弄くるアリス
その直後
バシュン ゴトッ
何かが外れる音
そして床に落ちる音がした
「えっ?」
その光景に一瞬思考が止まる瑠衣
「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
これでもか。と言うぐらい叫ぶ瑠衣
「くっ。アリス!自我領域ハーフダウン!」
「はい。」
アリスが答えノートパソコンを操作すると、叫び声が収まる
「マスター。脳波が不安定です。右腕部分パージの影響かと思われます。」
「そうか。なんとか安定させられないか?」
「自我領域へのアクセスは結果が未知数です。お勧めは出来ません。」
「…そうか。会話は出来るか?」
「えぇ。言語機能・会話機能等は正常ですので。」
「そうか。…さて、君の名前は?」
「…私、私は、…ルイ。和泉、瑠衣。」
「ルイか。君は私の何だ?」
「…私は、マスターに仕える…機械人形…違う、私は、人間。機械人形。人間。」
そう言うと倒れこむルイ
「どうした?」
「生体脳への異常負担です。意識がアウトしました。」
「そうか。まぁ焦らずにやっていこう。」
「はい。マスター。」
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