『Metal Doll Princess』

作 Rui 様





二章「更科瑠美那/ルーナ」


ACT1「New Material」


早坂邸

いつもの昼下がりの早坂邸のロビー

「はぁ?もう一体欲しい?」
昼下がりのロビーに唯の声が響き渡る
そんな唯を冷静な表情で見守る神
「なんで?今はRuiが居るじゃない。」
「お前がアリスを持っていっただろう?Ruiはあくまで護衛用だ。もう一体身の回りの世話をする機械人形が居ても良いだろう?」
神の言葉に呆れる唯
「唯女史。調達出来ないか?」
「…探してみるわ。」
「頼む。見つかったら…。」
「連れて来るわ。」
「解った。」
「それじゃ。」
「お気をつけてお帰り下さいませ。」
唯に向けてお辞儀をするRui

早坂邸外

外に止めておいた自前の33Rに乗り込む唯
「…素材、か。」
そう呟くとエンジンを掛け、アクセルを踏み車を走らせる

極東基地付属孤児院

駐車場に車を止め孤児院内に入る唯
「あっ、唯さんだ〜。」
一人の子供が気付き大勢の子供が寄ってくる
「ハハッ、相変わらず元気ね〜。」
「水月さん。」
ふと唯に声を掛ける女性
「あら、瑠美那(ルミナ)。こんにちは。どう?調子は。」
「えぇ。結構良いですよ。子供達も言う事聞いてくれますし。それと新しく入って来た彼女も子供に好かれてますし。」
「そぅ。…ルミナ、今夜話が有るの。門の所で待っててくれるかしら?」
「…あっ、はい。」
「ごめんね。それじゃ。」
そう言うと子供達に挨拶をして去っていく唯

夜9時

孤児院の門の所

一人唯を待つルミナ
そこに唯の銀の33Rが来る
窓を開けてルミナに声を掛ける唯
「ゴメン、待った?」
「…い、いえ、そんなに待ってないです。」
「そう。それじゃ助手席に乗ってくれるかしら?」
「あっ、はい。」
そう言うと助手席へと回るルミナ
そしてそのまま乗り込む

深夜の高速を走らせる唯
「…あ、あの。」
恐る恐る声を出すルミナ
「何?ルミナ。」
「私を呼び出したのは、どんな用件ですか?」
車を運転しながらルミナの言葉に返事を返す唯
「ルミナ、貴女前にもっと人の役に立ちたい事をしたいって言っていたわよね?」
「えっ?…あっ、はい。そうですけど。」
「…私の知人にメイドを募集している所が有るの。無償になるかもしれないけど、どう?」
唯の言葉に少し考えるルミナ
「今すぐ出さなくても良いのよ。」
「…いや、是非とも働きたいです。」
「…そぅ。」
そう言うと駐車帯に車を止めると何処かに電話を掛ける唯
「もしもし?神?…そっ、私。例の件の、OKよ。
………えぇ、今から向かうけど、良いかしら?
………解ったわ。今から行くわね。それじゃ。」
電話を切るとルミナの方に顔を向ける唯
「さてと、今から行きましょうか?」
「…あっ、はい。」
ルミナの返事を聞くと再び車を走らせる唯

早坂邸

家の前で車を止める唯
「ここよ。降りて。」
そう言うと車を降りる唯
それを見てルミナも車を降り、唯の後を付ける

早坂邸ロビー

「いらっしゃいませ。水月様。後ろのお方は?」
「ん?連れ。それより神は?」
「工房の方にいらっしゃいます。水月様とお連れの方をお連れしろと言われております。」
「解ったわRui。ルミナ、着いて来て。Rui、行きましょう。」
唯の言葉に移動を始めるRui
唯に着いて行くルミナ


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