『Metal Doll Princess』
作 Rui 様
二章「更科瑠美那/ルーナ」
ACT3「Obedient Metal Doll」
早坂邸侍従部屋
カーテンの隙間から朝日が差し込んでくる
「…う、う〜ん。…あれ?私いつの間に。」
そう言いながら疑問に思うルミナ
コンコン
ふとドアをノックする音が聞こえる
「起きておられますか?」
外から聞こえてきたのは、女性の声だった
「えっ?あぁ、はい。起きてます。」
「そぅ。タンスに服が入っていますから、それを着てロビーへと来て下さい。マスターがお待ちです。失礼します。」
そういい終わると足音が遠ざかって行く
「…タンスに服。」
そう言うとベッドから降り、タンスを開けるとそこにはエナメルのメイド服が入っていた
「…着たらロビーに。」
そう言うと何の躊躇いも無く、着馴れている様子でエナメルのメイド服を着るルミナ
「ロビーへ。」
着終わるとドアを開け廊下へと出てロビーへと向かう
ロビー
エントランスに姿を現し神の姿を確認すると口を開くルミナ
「おはようございます、マスター。」
そう言うと階段を降りるルミナ
階段を降りるとマスターの側に立つ
「おはよう、己の存在意義は?それと最優先されている命令とプログラムは?」
マスターで有る神の言葉に間を開けずに答えるルミナ
「はい。私の存在意義はマスターに仕える事。
最優先されている命令はマスターに従う事。
プログラムはマスターの命令に従う事です。」
ルミナの言葉に頷く神
「それと、自分の名前は言えるかい?」
神の言葉に少し間を置いて答える
「はい。Metal Number 01ルーナです。」
「よろしい。唯女史には感謝をしないとな。」
神の言葉に疑問に思うルーナ
「気にするなルーナ。ではルイと一緒に仕事をして貰おうか。」
「はい。マスター。」
そう言うとルイと共にロビーから去っていくルーナ
「…居るなら出てきたらどうだい?唯女史。」
神の言葉に柱の影から出て来る唯
「ばれてた?それより、どう?私のプログラムの出来は?」
「中々だ。自身の名前が変わってるのも気が付かないし、何より機械の身体って事に気が付いていない。…優秀だな。」
「ま〜ね〜。それより今回はかなり自我残ってるから反抗するかもしれないよ。」
「はぁ?」
唯の言葉に驚く神
「たまには良いでしょう?こんなのも。大丈夫よ、プログラムで強制シャットダウンする様になってるから。」
「…そうか。」
「また何か合ったら呼んでね〜。」
そう言うとロビーから去っていく唯
その日の夜
神の私室
ドアをノックする音が聞こえる
「誰だ?」
神が口を開く
「ルーナです。」
「入れ。」
「はい、失礼致します。」
そう言うとドアを開け部屋の中に入りドアを閉めるとお辞儀をし、再度口を開く
「何か、御用でしょうか?マスター。」
「あぁ。とりあえず寄れ。そしてメイド服を脱げ。」
「はい。」
そう言うと神の側に寄りメイド服を脱ぎ去るルーナ
「…ルーナ、お前は自分の身体を見て疑問に思わないのか?」
神の言葉に自分の身体を見つめるルーナ
「いえ、何も。」
「そうか。身体の各部に継ぎ目が有る自らの姿を疑問に思わないのか。」
「はい。マスターに仕える為に最適な身体だと認識してますから。」
「…そうか。解った、服を着て下がって良い。」
「はい。」
そう言うとメイド服を着てドアを開けると神の方を向く
「それでは、おやすみなさいませ、マスター。」
そう言うとお辞儀をし、部屋の外へ出るとドアを閉め去っていくルーナ
ルーナが去っていくのを確認すると電話を掛ける神
「…もしもし、唯女史か?」
―――えぇ、どうしたの?
「今回の素体、ルーナについてだが。」
―――あれ?何か不満でも有った?
「いや、無い。むしろ満足だ。」
―――そう。そう言われると嬉しいわ。
「そうか。それで一つ聞いて貰っても良いか?」
―――ん?何?出来る範囲なら。
「ルイの身体をメタリック調に出来ないか?」
―――今の人肌じゃなくて?
「あぁ。出来るか?」
―――えぇ、勿論。それじゃ〜、まぁ次行く迄には準備しといてね。
「解った。それじゃおやすみ。」
―――おやすみ
唯のその声を聞くと電話を切る神
「…今から楽しみだな。」
―――私は、ルーナ。マスターに仕える忠実な機械人形
二章「更科瑠美那/ルーナ」
終わり
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